塾長の安部です。久しぶりの投稿となりましたが皆様お元気でしょうか?
先日、ある生徒様との授業の中でお話しさせていただいた内容についてです。
これはどの方にとっても大切な話かと思いましたので、ブログに書き留めておくことといたしました。
話の発端は、高校の数学Ⅰで習う三角比の公式についてでした。
それはこんな公式です。
tan(θ)=sin(θ)/cos(θ)
こんなものはもはや常識中の常識ですが、しかしこの公式はなぜ成立するのでしょうか?
学校の先生がそう言っていたから、でしょうか?
教科書にそう書いてあるから、でしょうか?
偉い人がそう決めたから、でしょうか?
ネットで調べたら出てきたから、でしょうか?
…そのような理由では、決してないはずです。
答えは、「三角比の定義から自分で導くことができるから」ではないでしょうか?
ある仮説が正しいかどうか、というのは、数学であれば論理的な思考によってのみ検証することが可能です。
ところが現実の世界においては、何事も数学のように全て数式によって正確に記述できるわけではありませんし、絶対にこれが正解と言える解はない場合がほとんどです。
ワンマン社長の鶴の一声に振り回されて会社の経営が迷走したり、
愚かな政治家の思いつきによる失策で国が衰退したり、
ネット上のインフルエンサーに惑わされて無知な大衆が混乱したり、
人類とは元来、そういうものです。
しかし、だからこそ、きちんと「自分の頭で考える」ということが真に人間として生きる上で最も大切なことではないでしょうか?
数学という教科を学習する目的は、
まず第一に、自分の頭でとことん考えること。(安易に答えを写さない)
第二に、自分の出した結論に責任を持つこと。(計算を丁寧にやる、マル付けをする)
そして第三に、自分の考えを表現し同時に他者の考えも尊重すること。(説明、図やグラフ、途中式をちゃんと書く)
この3つの力を総合的に伸ばすことであると私は考えています。